貸借対照表の資産(流動資産、固定資産)を分析する

財務諸表の一つである貸借対照表(B/S)の左側に記載されている「資産」には、企業が保有しているお金をはじめ、
有形の資産だけでなく無形の資産まですべてのものが対象となります。

流動資産

流動資産とは、通常1年以内に現金化、費用化できるものを指します。
なお、流動資産か固定資産の分類は、ルールがあります。
まず、正常な営業循環内にあるかどうかで分類する「正常営業循環基準」を適用し、その後に決算日の翌日から起算して、1年以内に回収や支払ができるかを分類する「ワンイヤールール」を適用して判断します。
短期的な支払い能力(安全性)を確保する上で流動資産の額は、ポイントとなります。
一般的に、流動負債の額を流動資産の額が上回っている状態であることが望ましいです。

現金や要求払預金

企業がビジネスを続ける上で現金があるかどうかは非常に重要です。
金額が少ないと経営の安全性が低下するだけでなく、キャッシュが不足することで発生する黒字倒産の危険性があります。
そのためにも、少しでも現金の支払を遅らせるなどして手元の現金を確保しておく必要があります。

売掛金

掛取引によって、商品、サービスを提供した場合に代金を受領する権利ですがあまり多くならないように気を付ける必要があります。
売掛金が増加しているということは、現金を受領できていないということでもあるため、売掛金が増加傾向の場合、売掛金を早期回収する
対策を立てる必要があるかもしれません。
手元現金の不足が懸念されるような場合は、掛取引ではなく現金取引に変更する、売掛金の回収期間の短縮などを検討します。

棚卸資産

棚卸資産は、まだ未販売の商品のことですが一概に多ければ良いというものではありません。
少なすぎても機会損失に繋がる可能性があることから、適切な棚卸資産を持つ必要があります。

過剰な棚卸資産(在庫)は、リスクがあるということとを覚えておいてください。
商品は、使用しなくても劣化(経年劣化)します。そのため、生鮮食品でなくても売れずに長期間保管することは避けるべきです。
また、保管自体にも倉庫などを借りていれば費用が必要になる場合があります。その場合は、何もしなくても費用が発生してしまいます。
アパレルなどの流行に左右される商品や旧モデルとなってしまった商品は、時期を逃すと売れないリスクがあります。

商品によっては、紛失のリスクもありますので定期的に在庫を確認する作業の手間も必要になります。
これらの理由から、過剰な棚卸資産は、リスクしかありません。
そのため、特段の理由がないにも関わらず棚卸資産が増加している場合は、注意が必要です。

 

固定資産

固定資産とは、土地、建物、償却資産を総称した資産を指します。
固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他資産に分類されます。
それぞれの固定資産は、耐用年数と残存価格を元にして決算期に計画的、規則的に分配し費用を計上します。(減価償却)
固定資産を多く保有していることは問題ないのですが、売上とのバランスで効率的に稼げているかを判断するための指標になりますので過剰な固定資産への投資は、控えた方が良いかもしれません。

有形固定資産

有形固定資産は、事業で活用する土地、建物や機械などの設備が対象になります。
すぐに現金化することがが難しいものです。

一般的により少ない有形固定資産で売り上げを上げることで生産の効率性が高いと判断できます。

無形固定資産

無形固定資産は、形のない資産です。
例えば、特許権などの各種権利、ソフトウェア、のれんが対象になります。

のれんとは、被承継会社のブランド力、技術力、人的資源や地理的条件などの見えない資産価値のことです。
日本の会計基準では、のれんについては、20年以内の期間で均等に償却することが定められています。

投資その他資産

長期保有(満期まで1年以上など)を目的とした有価証券、長期貸付金、敷金及び補償金などが対象になります。
また、子会社への出資も投資その他資産に該当します。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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