主要な監査手続のポイント(通査・閲覧)

内部監査で用いられる主要な手続のうち、特に重要な次の監査手続のポイントをご紹介します。

  • ヒアリング(質問・確認)
  • 通査・査閲
  • ウォークスルー(視察)
  • 分析的手続

通査・閲覧

各種規程、議事録、稟議書、報告書、契約書等並びに関連資料を読む監査手続です。
例えば、各種議事録、稟議書ファイル等の閲覧書類の内容を一通り読むことにより、重要な意思決定や業務の状況にかかわる生のデータを分析していきます。通常、指摘事項は、書類の通査・閲覧により検出されることが多い一方で、時間もそれなりにかかるため、通査・閲覧する価値のある書類を見分ける技術も養っていく必要があります。

情報収集するにあたって、事前に入手すべき主な資料(通査・閲覧対象の資料)としては、次のような資料があります。

  • 組織図(全組織及び対象部門の詳細)、職務分掌規程、権限一覧 等
  • 業務に関わる方針と手続に関する文書(方針、手続規程、業務マニュアル 等)
  • 業務に関わる契約書等
  • 各種報告書等

また、システム監査の場合には、入手すべき資料として次の資料があります。

  • 情報システム関連の規程、基準、要領、手順書等
  • セキュリティ・ポリシー、コンティンジェンシープラン等
  • 各種報告書(障害報告、原因調査報告等)、申請書(取得、変更管理等)、契約書(ベンダー契約、ライセンス契約等)
  • 設計書、仕様書、フローチャート、システム概念図

準拠テスト・実証性テスト・二重目的テスト

関連する資料等を分析する際の手法として、準拠性テスト、実証性テスト、二重目テストがあります。

準拠性テスト

内部統制の手続が内部規定等のルールに則って実施されているか、あるいは、予定されているとおりに実施されているか、選択したサンプルについて、関連資料(方針・手続規程、関連書類の内容、確認印等)を検証する監査手続です。
準拠性テストを通じて、内部統制手続がどのように機能しているかを検証します。
例えば、帳簿の内容が妥当であるかどうかを上席者が確認して検印を押すといった統制手続がある場合の準拠性テストとは、検印が1件1件押されているかを確認する検証作業になります。

実証性テスト

内部統制の手続の目標が、内部規定又は予定されていたとおりに達成されているか(例えば、データの正確性の確保)を、選択したサンプルについて関連資料(例えば、被監査部門等が作成した書類やそのエビデンス等の関連書類の内容)を検証する監査手続です。

実証性テストの手続を通じて内部統制の目的が達成されているかを検証します。
準拠性テストを行った結果、内部統制システムが信頼できれば、実証性テストの検証範囲を小さくすることができるとされています。
例えば、上記と同じケースにおいて、帳簿の内容が妥当かどうかを上席者が確認して検印を押すといった統制手続があった場合、実証性テストでは、帳簿の内容が本当に妥当かどうか、上席者の確認が形骸化して統制手続が疎かになっていないかを確かめる作業です。

二重目的テスト

準拠性テストと実証性テストの性質を兼ね備えた監査手続です。
例えば、請求書の検証で支払承認がルールどおりに行われているかどうか(準拠性テスト)と請求書の内容が妥当かどうか(実証性テスト)の双方をまとめて同時に検証するといったものになります。
内部統制手続がどのように機能し、内部統制の目標が達成されているかを検証します。

 

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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