原価を把握して利益率の改善を図る

ビジネスを行うと少なからず費用が必要になります。
例えば、商品を製造しているのであれば、原材料費などが費用になりますし、サービスであれば、サービスを提供する人の人件費などが費用として必要になります。
それらの費用は、商品、サービスを売り上げることで売上原価となり、売上高から引いた残りが利益となります。

利益=売上ー費用

ビジネスを行う上で売上を上げることは、必要ですがもっと必要なことがあります。
それは、利益を上げることです。
売上高がいくらあったとしても利益が残らなければ、そのビジネスは、やっている意味がないと言っても過言ではありません。

例えば、Aさんは、売上が1,000万円ありますが原価に999万円かけています。なので利益は、1万円です。
一方、Bさんは、売り上げが200万円しかありませんが、原価が100万円です。なので利益は、100万円もあります。

その差は、なんと100倍もの違いがあります。売上が5倍あっても利益は、100分の1なのです。

 

このように、売上高は少なくても原価の額によって、残る利益額がまったく異なってきます。
しかし、現状として自身が提供している商品、サービスの原価を把握できていないケースが多く見られます。
原価を把握できていないと単に純利益額のプラスマイナスでしか判断できなくなってしまい、利益が少ないのは、商品やサービスに自体に原因があるのか、それとも商品、サービスを製造、提供する際の費用に問題があるのか区別できなくなってしまいます。
万が一、商品、サービスの中に原価割れ原価より安い金額で販売し利益がマイナスの状態の商品、サービスがある場合、売れば売るほど赤字になってしまいます。このような状況は、原価を把握していないと判断できないです。

 

利益率を高める

利益を上げるためには、経営資源が豊富な大企業であれば多少利益率が低くても売り上げを伸ばすことで利益を確保することが可能になりますが、中小企業など経営資源が限られている状況では、売上を伸ばして利益を上げることには限界がありますので利益率を高める必要があります。

利益率を高めるためには、2つの方法があります。

一つは、販売価格を上げることです。
二つ目は、原価を下げることです。

しかし、販売価格を上げることは、容易ではありません。一般的に価格を上げると需要が下がってしまいますので売り上げが下がる可能性があります。そのため、利益率を高める方法としては、原価を下げることを検討することになります。

 

原価の種類

原価と一言でいっても原価の種類によって分類することができます。

変動費、固定費

変動費は、商品、サービスを準備する数に比例して必要になる経費です。
商品であれば、製造するために必要な原材料が変動費に当たります。商品を作る量が増えれば、それに応じて原材料が必要になります。
固定費は、販売量に比例せず、一定額必要な費用になります。商品、サービスを販売する店舗の家賃などです。
たとえ、商品、サービスがまったく売れなかったとしても店舗の家賃は必要になります。

 

原価を下げるには

利益率を高めるためには、変動費と固定費のどちらを削減すればよいのでしょうか。
どちらも削減することが望ましいですが、固定費を下げるのは、なかなか難しい場合が多いです。家賃などは、そう簡単に変更できるものではありません。

そのため、原価を下げるためには、変動費の削減を図ることをおすすめします。
変動費を削減するためには、大きく2つの方法があります。

一つ目は、一単位当たりの金額を安くする方法です。例えば原材料の価格を安いものに変更したり、生産の効率を上げて安く製造できるようにすることです。
二つ目は、無駄を削減する方法です。商品の製造には、少なからず不良品が発生します。そのため、その不良品発生率を削減することで無駄な費用の削減を図ります。

 

利益がマイナスでも必要

利益がマイナスだった商品、サービスの原価を見直したもののまだ、利益が出ないという場合、商品、サービスの販売をただちに中止しない方が良い場合があります。

「貢献利益」と呼ばれる利益がプラスであれば、引き続き販売を続けた方が全体にとってプラスとなる場合があるためです。

現状、次のような状態であるとします。
個別固定費とは、各製品ごとにかかわる固定費、共通固定費とは、全体に関する固定費です。共通固定費は、それぞれの製品に均等に按分します。

項目 製品A 製品B 製品C
販売価格 200円 400円 300円
製造原価 50円 100円 150円
粗利 150円 300円 150円
個別固定費 50円 150円 100円
貢献利益 100円 150円 50円
共通固定費 80円 80円 80円
利益 20円 70円 ▲30円
合計利益 90円

 

製品Cは、利益がマイナスになっています。しかし、製造を中止すべきではないのです。
それは、貢献利益がプラスとなっており、共通固定費の支払に貢献できているためです。

もし、製品の製造を中止した場合の利益を見てみます。

項目 製品A 製品B
販売価格 200円 400円
製造原価 50円 100円
粗利 150円 300円
個別固定費 50円 150円
貢献利益 100円 150円
共通固定費 120円 120円
利益 ▲20円 30円
利益の合計 10円

 

製品Cが赤字だからといって廃止すると利益が10円になってしまいました。
製品Cがまかなっていた共通固定費の50円(貢献利益分)と残りの共通固定費30円分の合計80円分の負担が増したためです。
なので、製品単体で見たときに利益がマイナスであったとしても、貢献利益がプラスであれば、製品、サービスの提供を継続することが望ましいのです。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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