デリバティブ取引、その他の資産の分類方法

デリバティブ取引の分類方法

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証
    デリバティブ取引の査定に当たっては、以下のイ、ロの区分に応じて分類を行うものとする。
    イ.時価評価が行われているもの
      帳簿価額を非分類とする
    ロ.時価評価が行われていないもの
      原則として、債権と同様の方法により、価値の毀損の危険性の度合いに応じ分
      類する。
  • 自己査定結果の正確性の検証
    帳簿価額が適正な時価で評価されているか検証する。

デリバティブ取引の自己査定にあたっては、時価評価されているか否かによって取扱いが異なってきますが、時価評価されているケースが多いと思われます。
その場合には、適正な時価で評価されているかどうか検証することがポイントになってきます。

 

その他資産(債権、有価証券及びデリバティブ取引以外)の分類方法

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証
    その他の資産は適正な評価に基づき、以下のとおり分類するものとする。
    なお、信用リスクを有する資産及びオフバランス項目について自己査定を行ってい
    る場合には、債権と同様の方法により分類するものとする。
    特に、債権流動化等の方法によりオフバランス化を図っているもののうち、信用リ
    スクが完全に第三者に転嫁されず、信用リスクの全部又は一部を被検査金融機関が抱えている場合には、債権流動化等の対象となった原債権を債権と同様の方法により分類した上で、被検査金融機関が抱えている信用リスク部分を価値の毀損の危険性の度合いに応じて分類するものとする。
  • 自己査定結果の正確性の検証
    その他の資産のうち、金融商品の評価については、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準委員会)等に基づいて適切に行われているかを検証する。
    また、その他の資産が上記に掲げるとおり分類されているかを検証する。
    なお、信用リスクを有する資産及びオフバランス項目については、債権と同様の方法により分類されているかを検証する。
    特に、債権流動化等の方法によりオフバランス化を図っているもののうち、信用リ
    スクの全部又は一部を被検査金融機関が抱えている場合には、当該部分が価値の穀損の危険性の度合いに応じて分類されているかを検証する。

(備考)「金融商品に関する会計基準」等には、「金融商品会計に関する実務指針」及び「金融商品会計に関するQ&A」を含む。

その他の資産として、仮払金、動産・不動産、金融機関の保有する会員権、その他の資産に係る自己査定のチェック項目が示されています。
特に、債権流動化案件については、信用リスクが自社に残されていないか、法的効力の側面から注意深く検証して評価する必要があります。

1.仮払金

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証
    貸出金に準ずる仮払金(支払承諾に基づき代位弁済を行ったことにより発生する求
    償権及び貸出金と関連のある仮払金)以外の仮払金については、回収の危険性又は価値の穀損の危険性の度合いに応じ、分類するものとする。
  • 自己査定結果の正確性の検証
    貸出金に準ずる仮払金以外のものが、回収の危険性又は価値の毀損の危険性の度合
    いに応じ、分類されているかを検証する。

代位弁済による求償権、貸出金と関連のある仮払金については「貸出金に準ずる仮払金」として債権の分類方法に従います。ここでは、それ以外の仮払金の分類について示しています。

2.動産・不動産

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証
    店舗等営業用として使用されていないいわゆる所有動産・不動産については、原則
    として、帳簿価額をⅡ分類とする。
    また、営業用、非営業にかかわらず、減損会計を適用した場合に減損すべきとされ
    た金額については、これをⅣ分類額とする。
  • 自己査定結果の正確性の検証
    動産・不動産について、上記に掲げるとおり、分類されているかを検証する。
    なお、①職員の福利厚生の目的としているが利用実績が殆どないもの、及び②現に
    営業目的に供されていないか、今後、営業目的に供することが確実でないもの、を所有動産・不動産として分類しているかを検証する。

(注)動産・不動産のうち固定資産の減損については、「固定資産の減損に係る会計基準」(平成14年8月9日企業会計審議会)等を参照。

金融機関の動産・不動産の中で、営業目的に供されていない動産・不動産等について、分類対象に含まれてくることに留意します。

本チェック項目に関しては、「金融検査マニュアルに関するFAQ」の中で次のように説明されています。

金融検査マニュアルに関するFAQ

Q:動産や不動産に対する検証項目を変更(減損会計に係るものを追加)し
   た理由は何ですか。
   また、当該減損は期中に行われることもあると思いますが、どのように
   検証するのですか。

A:1.平成17年4月1日から始まる事業年度から適用が開始された減損会
    計について、その趣旨を十分に踏まえて減損適用に係る検証を行う
      よう検査官に周知するため、明確化の観点から記載を追加したもの
    です。
  2.また、検査に当たっては、減損会計を自己査定前の手続とするか否
    かにかかわらず、基準日時点において減損対象となるものが適切に
    減損処理が行われているかという点を検証することになります。
    (なお、期中に切り放し済みの減損額を期末の簿価に戻し入れるこ
     とを求めるものではないことに留意願います。)

3.ゴルフ会員権

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証
    イ.ゴルフ会員権については、有価証券の減損処理に準じて分類す
      る。
    ロ.また、福利厚生用として保有しているものを除き、原則として
      帳簿価額をⅡ分類とする。
      ただし、会員権の発行主体の財務状況に問題が認められる場合
      には、保有目的に関わらず債権と同様の考え方に基づき債務者
      区分を行い、要注意先及び破綻懸念先とされた者が発行するも
        のは帳簿価額をⅡ分類、実質破綻先及び破綻先とされた者が発
        行するもので、施設の利用が可能なものは帳簿価額をⅡ分類、
        施設の利用が不可能なものは帳簿価額をⅣ分類に分類するもの
      とする。
      なお、ゴルフ会員権をその他の資産ではなく、有価証券の勘定
      科目で保有している場合も、同様の方法により分類するものと
      する。
      また、会員権の発行主体に対する債権を有しない場合は、簡易
      な基準により分類を行うことができるものとする。
  • 自己査定結果の正確性の検証
    ゴルフ会員権について、上記に掲げるとおり、分類されているかを検証する。
    有価証券の勘定科目で保有している場合に、上記に掲げるとおり、分類されているかを検証する。

(注)ゴルフ会員権の減損処理等の具体的処理については、「金融商品会計に関する実務指針」第135項及び第311項を参照。

金融機関が持っている(資産として計上されている)ゴルフ会員権について、その分類方法を示しています。

4.その他資産

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証
    上記以外のその他の資産については、その資産性を勘案し、回収の危険性又は価値の穀損の危険性の度合いに応じ、分類するものとする。
    なお、その他の資産のうち、金融商品取引法上の有価証券に該当するもの及び会計処理上有価証券に準じて取扱うものについては、有価証券の分類方法に準じて評価・分類を行うものとする。
  • 自己査定結果の正確性の検証
    その他の資産については、上記に掲げるとおり、分類されているかを検証する。
    イ.一般事業会社が発行した買入金銭債権について、一定金額を継
      続的に買い入れ長期的に信用を供与していると認められる場合
        は、当該員入金銭債権が債権と同様の方法により分類されてい
        るかを検証する。
      なお、特定取引勘定設置銀行が特定取引勘定において、一般事
        業会社が発行した買入金銭債権を継続的に買い入れ長期的に信
        用を供与していると認められる場合は、分類のみならず、自己
        資本比率の算定が不正確となるとともに、銀行法施行規則(昭
        和57年大蔵省令第10号)第13条の6の3第3項、第4項(勘
        定間振替の禁止)の趣旨に反する行為であり、そのような取扱
      いが行われていないかを検証する。
    ロ.被検査金融機関の債権を信託方式により流動化した場合におい
      て、当該貸付債権信託受益権を被検査金融機関が保有している
        場合は、当該貸付債権信託受益権は債権と同様の方法により分
      類しているかを検証する。

買入金銭債権としては、他から購入した売掛債権や貸付債権があります。
「自己査定結果の正確性の検証」のイ.は、一般事業会社が発行したCPに関わる杞憂検査の不備指摘を踏まえた事項について示したものです。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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