外部監査態勢の整備・確立

内部管理態勢の有効性について、年一回以上、外部監査を受ける必要があります。
また、取締役会は、外部監査により指摘された問題点をフォローアップすることが求められています。

会計監査人、弁護士等による内部管理態勢に対する外部監査

【金融検査マニュアルにおけるチェック項目】

内部管理態勢の有効性等について、年一回以上、会計監査人、弁護士等の外部の専門家による外部監査を受けているか。国際統一基準適用金融機関においては、海外の各拠点ごとに各国の事情に応じた外部監査を受けているか。
また、取締役会又は監査役会は、監査結果を適時に受領しているか。

金融機関の内部管理態勢の有効性は、内部監査だけでなく、外部の第三者の目を通じて、さらに検証されることが必要です。そのためには、会計監査人等が財務諸表監査の一環として、内部管理態勢をチェックすることで対応するか、もしくは、任意に外部の専門家にレビューを依頼することになります。
また、国際統一基準適用金融機関においては、海外の各拠点に各国の実情に応じた外部監査を実施しなくてはなりません。
海外に子会社を有する場合、各国の法令上の規定に則る形で外部監査を実施させ、(必要であれば、海外子会社の管理部門を通して)その監査報告を求めて、その子会社の財務状況及び経営成績等を詳細に把握しておく必要があります。
なお、外部監査の結果は、監査の内容に応じて取締役会又は監査役会に直接報告されなければなりません。この趣旨は、監査結果の報告が、その内容に応じて担当部門や業務執行役員などに阻害される可能性を排除しようとするものです。

外部監査については、何を持って外部監査とするかその定義を確認する必要があります。
この点は、金融検査マニュアルのチェックリストに注釈があります。

ここに言う外部監査は、会計監査人による財務諸表監査に限定するものではない

金融検査マニュアルでいう外部監査が、財務諸表監査だけを意味しないことを明確化しています。
ただし、財務諸表監査結果に加えて、他の外部監査結果を併せて検査対象とすることが次のように明記されています。

現状では、制度上義務付けられている財務諸表監査及び同監査手続の一環として実施される内部管理態勢の有効性等の検証以外の外部監査を義務付けるものではないことに留意する必要がある。
ただし、金融機関が、内部管理態勢の有効性等を確保するため、財務諸表監査と別に外部監査を受けている場合は、財務諸表監査の結果と併せて、内部管理態勢の有効性等を総合的に検証することとなる。

 

実効的監査のための協力

【金融検査マニュアルにおけるチェック項目】

取締役会は、外部監査人が実効的な監査を実施することができるよう、社内の各部門・部署等に協力させるための措置を講じているか。

会計監査人等の外部の専門家による客観的な監査報告の中には、金融機関の内部管理態勢に関わる有益な情報が数多く含まれています。
しかし、外部監査人は、あくまで外部の専門家であり、金融機関内部の情報に精通しているとは言えません。場合によって、内部の人間が情報提供を阻害したり、協力を拒んだりする可能性もありまえます。
そこで、取締役会は、外部監査人によるモニタリングの価値を十分に認識し、実効的な監査が実施できるように、内部監査部門をはじめ外部監査に関わりのがる社内の各部門・部署に対して外部監査人へ協力するよう厳しく指示することが望まれます。

 

外部監査の有効性の分析・評価

【金融検査マニュアルにおけるチェック項目】

締役会及び監査役会は、外部監査が有効に機能していることを定期的に確認しているか。
また、取締役及び取締役会等は、子会社等において実施された外部監査の結果についても、必要に応じて適切に報告を受け、問題点を把握するなど子会社等における外部監査が有効に機能していることを把握しているか。

外部監査(主として財務諸表監査)の目的は、現在及び将来の株主に対する当該金融機関の収益力(財政状態及び経営成績)の相対的正確性の証明にありますが、外部監査報告書に記載された各監査結果は、内部管理態勢の改善を図るための有力な情報源となります。
また、外部監査プロセスの中で、内部統制上の問題点が指摘される場合もあります。

取締役会は、こうした外部監査に基づく報告書や課題指摘の様態などを通じて、外部監査の有効性を確認し、会計監査人等の適格性についても監視、検証していかなければなりません。これまでの会計監査人であるといって、馴れ合いになることなく、厳しくその品質を検証する必要があるということです。
さらに、取締役会や監査役会は、連結ベースでの経営管理を徹底するため、子会社等においてなされた外部監査の結果についてもその結果を把握し、その外部監査機能の有効性についても評価する必要があります。

 

改善及びフォローアップ

【金融検査マニュアルにおけるチェック項目】

取締役会は、外部監査人により指摘された問題点を一定の期間内に改善する態勢を整備しているか。被監査部門等は、指摘された問題点について、その重要度合い等を勘案した上、遅滞なく改善し、必要に応じて改善計画等を作成しているか。
また、内部監査部門等は、その改善の進捗状況を適切に確認しているか。

外部監査人により指摘された問題点を改善する態勢の整備は、内部監査部門ではなく取締役会の役割であることが明確化されています。
すなわち、問題点の改善の責任が、取締役会を中心とする経営陣にあるという当然の事柄を明確にしたものです。

内部監査の場合と同様、会計監査人等による外部監査を受けた場合には、そこで指摘された問題点は、取締役会が主導しつつ被監査部門において一定期間内に改善されなくてはならないことを明らかにしています。
ただし、一定期間内といっても、即時に対応可能なものもあれば、時間を必要とするものもあります。法令等に抵触している(あるいは、その可能性がある)場合には、即時の対応が必要となりますが、それ以外の問題についても、問題の重大性(損失の大きさや発生頻度)や問題解決の難易度、必要となる人員やコスト等を総合的に考慮して、解決の優先順位を決め、計画的に対応していくことが不可欠です。

外部監査によって指摘された問題点については、業務執行部門での改善確認で終わらせることなく、内部監査部門等でフォローアップをしていくことが不可欠であることから、内部監査部門等に対してもその事後検証を求めています。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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