外部業者が開発した市場リスク計測モデルを用いている場合

外部業者が開発した市場リスク計測モデルは、その妥当性をチェックする必要があります。
また、外部開発業者の管理を行う必要があります。

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  1. 市場リスク計測態勢の適切性
    1. 金融機関の担当者は、計測手法に関する知識を十分に持ち、市場リスク計測のモデルの過程について理解しているか。
    2. 金融機関の市場リスク管理部門及び内部監査部門は、計測手法の理論的及び実証的な妥当性検証を行っているか。
  2. 市場リスク計測モデルの適正性
    1. 計測モデルに関してブラックボックスの部分はないか。仮にブラックボックスの部分がある場合には、計量モデルの妥当性について検証しているか。
    2. 計測に使用するデータの整合性、正確性は確保されているか。
    3. 金融機関の業務の規模・特性及びリスク・プロファイルに見合った計測モデルが選択されているか。
  3. 市場リスク計測モデルの開発業者の管理
    1. 継続的なモデル運用ができ、モデルの精緻化・高度化に向けた取組が可能なモデル開発業者と委託契約をし、定期的に、開発業者の評価をおこなっているか。
    2. 市場リスク計測のユーザーに対するサポート体制(研修、コンサルティング及び保守)が十分な開発業者を選定しているか。
    3. モデルの開発業者における計測モデルの妥当性の検証状況について、定期的に又は必要に応じて随時、報告を受けられる態勢となっているか。

外部業者が開発した市場リスク計測モデルを金融機関が利用している場合には、ここに示された項目について検証するものとされています。
チェックリストの脚注によれば、市場リスクの計測を外部委託している場合にも、当検証項目を準用して検証を行うものとされています。

平成19年2月における金融検査マニュアル改定に際してのパブリック・コメントでは、本チェック項目に関連して次のやり取りがなされています。

  • 外部業者が開発した市場リスク計測モデルを用いている場合、「市場リスク管理部門及び内部監査部門は、計測手法の理論的及び実証的な妥当性検証を行っているかとあるが、内部監査部門が「計測手法の理論的及び実証的な妥当性検証」を直接行うことには違和感がある。
    内部監査部門は、市場リスク管理部門が行った検証の内容について監査を行うという理解でよいか(そうであれば、そのような趣旨が明確となる記述に変更すべきと考える)。
    →市場リスク管理部門及び内部監査部門の検証への関与については、例えば、モデルの複雑さや内
     部監査の整備状況当によって異なるものと考えます。
     なお、ご意見のような考え方もあると思います。
  • 「ブラックボックスがない」とは、モデルのプログラムレベルで要求されるものではないとの理解でよいか。
    →本チェック項目は、モデルの理論に関して記載したものであり、プログラムのソースコードに至
     るまでの理解を想定したものではありません。

同上パブリック・コメント、および金融庁検査局が公表している「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)」では、次のような回答がなされています。
Q:「モデルの開発業者における計測モデルの妥当性の検証状況」については、外部監査等で対応済の
  場合、不要とすることができますか。
A:1.本チェック項目は、モデル開発業者の管理という観点で記載しています。
    したがって、外部開発業者が行っている計測モデルの妥当性の検証状況について、定期的に又
    は必要に応じて随時、報告を受けられるようにする必要があると考えます。
  2.妥当性の検証を外部監査等によって行っている場合、金融機関がモデル開発業者から受ける必
    要性は低下することもあると考えられます。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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