知的財産権(産業財産権)で大事なアイディアや技術等を守る

あなたの大切な技術や作品などは、知的財産権という法律で規定された権利によって保護さることはご存知でしょうか。
知的財産権があれば、他人が無断であなたの技術を利用したり、作品を勝手に模倣することを防ぐ効果があります。
知的財産権には、次の種類があり、様々な知的活動によって生み出されたアイディアや創作物などの知的財産を保護しています。

知的財産権の種類

特許(発明)

今までになかった新規性がある自然法則を利用した高度な技術的アイディアを保護します。
対象は、「物」「方法」「物の生産方法」の3つのタイプがあります。
保護できる期間は、出願から20年間となります。(特許法第67条)医薬品等は、最長5年間延長できる場合があります。
特許権を取得(出願)する場合は、願書とともにその技術内容を詳しく説明した明細書・図面を作成し、特許庁に出願します。

特許を取得せずにいて、他者に特許を取得されてしまった場合は、通常、特許権の侵害となってしまいます。
しかし、特許権者の発明の内容を知らずに自ら特許権者と同じ内容の発明をして、特許権者が出願した際、
日本国内においてすでにその発明を実施して事業を行っている場合又はその実施のための準備を行っている場合には、
その準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、当該特許出願に関わる特許権について、通常実施権を持ちます。
いわゆる先使用権です。(特許法第79条)

職務上の発明

当該従業者が使用者の業務範囲に属し、かつ、発明をするにいたった行為が従業者の現在又は過去の職務に属する発明を「職務発明」といいます。

従業員が職務において、発明を行った場合、原則として特許権者従業員となります。
ただし、使用者は、無償の通常実施権を保有することになります。

特許権を使用者に譲渡した場合は、従業員は、「相当の対価」を受けることができます。
ただし、相当の対価の基準は、勤務規則等で定めることができますが、その規則が必ず適用されるものではありません。
なお、就業規則等にあらかじめ、「特許を受ける権利」を定めておくことができます。(予約承継)
これらは、使用者が特許出願をするかしないかは、関係ありません。

メリット

  • 特許を取得することで、自身の特許発明の実施を独占することができます。
  • 第三者が無断でその特許発明を実施している又は実施するおそれがあれば、停止するように求めたり(特許法第100条)、損害賠償を請求することが可能となります。
  • 原則として特許は、特許権者のみが実施できますので他者が特許を取得し、特許侵害によって製品の発売を中止するリスクを回避できます。
  • 特許の実施を他者に許諾することでライセンス収入を得ることができます。

デメリット

  • 特許を取得するためには、技術内容を公開する必要がある(出願してから1年6か月で公開)ため、内容が公に知られてしまいます。
    仮に特許申請を行い取得できなかった場合は、技術が公に公開されただけになります。
    また、特許の効果は、日本国内に限られるため、外国においても保護したい場合は、外国においても特許を取得する必要があります。
  • 取得までには、数年程度の時間がかかります。
  • 特許取得には、費用(数十万円〜)がかかります。ただし、補助金・助成金制度がありますので有効に活用することで負担を軽減できる可能性があります。

 

実用新案(考案)

発明ほど高度なものではなく製品の形状、構造、組み合わせにかかる考案を保護します。
保護できる期間は、出願から10年間となります。(実用新案法第15条)
実用新案を取得(出願)する場合は、願書とともにその技術内容を詳しく説明した明細書・図面を作成し特許庁に出願します。
特許法第79条の先使用権は、実用新案権にも準用されます。(実用新案法第26条)

メリット

  • 審査を行わずに権利化できるため、取得までの時間が早いです。
  • 特許と比較すると各種手数料等が安価です。

デメリット

  • 無審査で登録できるため、特許と比較して権利が弱いです。(無効審判によって、無効にされやすいなど)
  • 権利の存続期間が特許と比較して、10年間と短いです。
  • 権利を主張するためには、特許庁が発行する実用新案技術評価書が必要となります。(実用新案法第29条の2))
    そのため、実用新案技術評価書がない場合は、第三者に権利を主張することができません。
  • 審査(実用新案技術評価書)の過程で、特許と比較して主張可能な範囲が限られており、権利が無効になりやすいです。

 

意匠(デザイン)

物品の形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合であって、資格を通じて美感を起こさせる工業上利用できるものを保護します。
なお、同時に使用される2つ以上の物品であって、経済産業省令で定める物品(組物)に関わる意匠が組み物全体としての統一がある場合は、
一意匠として意匠登録できます。(意匠法第8条)本来一意匠一物品であるがシステムデザインを保護する観点から保護されます。
保護できる期間は、登録から20年間となります。(意匠法第21条)
意匠を取得(出願)する場合は、願書とともに意匠図面を作成し特許庁に出願します。

メリット

  • 同一又は類似のデザインを模倣しようとする(模倣した)第三者の行為を差止め(意匠法第37条)たり、損害賠償を請求することができます。
  • 意匠のデザイン使用を他者に許諾することでライセンス収入を得ることができます。

デメリット

  • 意匠を登録すると、内容が公開されます。
    ただし、出願時に秘密意匠制度を利用することで最長登録から3年間(期間は自由に設定可能)は、意匠を非公開とすることができます。(意匠法第14条)
  • 取得までには、6か月から1年程度の期間がかかります。

 

商標(マーク)

あなたが取り扱う商品、サービスと第三者の商品、サービスを区別するために人の知覚によって認識できるもののうち、
文字図形記号立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合その他政令で定めるものを保護します。
この他にも、「動き」、「ホログラム」、「位置」なども保護対象として認められることになりました。
保護できる期間は、登録から10年間となり、存続期間は、商標権者の申請により更新が可能です。(更新しないと権利がなくなります)
商標を取得(出願)する場合は、願書とともに商標見本を作成し特許庁に出願します。

商標を取得せずにいて、他者に商標を取得されてしまった場合は、通常商標権の侵害となります。
しかし、第三者の商標登録出願前から日本国内において、不正競争の目的でなく商標を使用していた場合、現にその商標があなたの業務に関わる商品、サービスを表示するものとして
需要者の間に広く認識されているときは、継続してその商品サービスについて、商標の使用をする場合は、その商品、サービスについてその商標を使用することができます。
(商標法第32条)
ただし、基本は、先願主義のため、ビジネスで使用するマークは、極力早期に登録しておくべきです。

メリット

  • 権利者以外は、同一及び類似の商標は利用できないです。
  • 日本全国を対象として、同一及び類似の商標を模倣しようとする(模倣した)第三者の行為を差止め(商標法第36条)たり、損害賠償請求することができます。
  • ブランドの出所表示機能(あなたが生産、提供したことを識別する機能)を果たします。

デメリット

  • 登録までには、6か月程度の期間がかかります。

 

参考

特許・実用新案、意匠、商標について、現在登録されている情報を次のWebサイトから検索することができます。
リンクをクリックしてください。
特許情報プラットフォームWebサイト

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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