金融庁告示におけるオペレーショナル・リスクの要点

自己資本比率公示における各オペレーショナル・リスク計測手法の要点を説明します。

金融庁告示19号におけるオペレーショナル・リスクの概要

わが国では、2006年(平成18年)3月、バーゼルⅡへの対応として金融庁告示19号「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」等、金融機関の業態毎のいわゆる自己資本比率告示が官報掲載されました。
金融庁告示19号をベースに、金融庁告示におけるオペレーショナル・リスク計測手法に関する要点を解説します。

金融庁告示19号では、10章の303条以下でオペレーショナル・リスクに関して規程されており、303条では、「銀行は、オペレーショナル・リスク相当額の算出に当たっては、基礎的手法、粗利益分配手法または先進的計測手法を用いるものとする」として3つの計測手法によることを明示しています。

金融庁告示第19号

第10章 オペレーショナル・リスク

第303条(オペレーショナル・リスク相当額の算出)

第304条(基礎的手法)

第305条~第310条(粗利益配分手法)

第311条~第320条(先進的計測手法)

 

基礎的手法

金融庁告示第19号

第304条

  1. 基礎的手法を用いて算出するオペレーショナル・リスク相当額は、1年間の粗利益(業務粗利益から国債等債権売却益及び国債等債権償還益を除き、国債等債権売却損、国債等債券償還損、国債等債券焼却及び役務取引等費用を加えたものをいう。以下この章においておなじ。)に0.15を乗じて得た額の直近3年間の平均値とする。
    ただし、直近3年間のうち1年間の粗利益が正の値とならない年がある場合には、当該正とならない年以外の年数で除して得た額とする。
  2. 銀行は、前項に定める粗利益の計算において、役務取引等費用のうちアウトソーシング(銀行の業務の一部が他の者に委託され、当該他の者の日常的な管理の下で行われることをいう。)の費用に当たらないものについては、薬務取引等費用から除くことができる。

基礎的手法では、業務粗利益×15%の過去3年間の平均値をオペレーショナル・リスク相当額とみなすことを基本とします。
ここでは、次の3点について注意する必要があります。

  1. 業務粗利益から債権5勘定を控除する点
  2. アウトソーシングした業務に係る費用について損失を被る可能性があるため、これを足し戻すことによってリスクに備える点
  3. 業務粗利益がゼロもしくは、マイナスの場合の取扱について注意する必要がある点

「1年間の粗利益」とは、自己資本比率の計算基準時点が9月末または3月末となる場合は、その各時点を基準時点とする1年前までの、連続した2半期の粗利益の合計額とするものとされます。

基礎的手法の場合には、他の手法と異なり、特段の承認要件は、設けられていません。

(図表で挿入)

基礎的手法および粗利益配分手法に関して、金融庁検査局が公表している「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)」では、次のように回答されています。

Q:オペレーショナル・リスクの定量(計量)化において、基礎的手法や粗利益配分手法を使用してい
  る場合であっても、掛け目の合理性を検証しなければならないのでしょうか。

A:

  1. オペレーショナル・リスクを内部管理する上で、自己資本比率を算出する際の手法(基礎的手法・粗利益配分手法)の掛け目を使用し、オペレーショナル・リスクを定量(計量)化しているからといっても、必ずしも適切であるとは限りません。
  2. しかしながら、そのような方法が、金融機関の業務の規模・特性及びリスク・プロファイルに照らし、不適当となるような特殊事情がないということであれば、合理的に設定されているものとして問題はないと考えられます。
  3. 不適当となるような特殊事情とは、例えば、当該金融機関のオペレーショナル・リスク量と、オペレーショナル・リスク損失額とを比較し、損失額がリスク量を超えるような事象が多発していることなどが考えられます。
  4. なお、財務諸表の指標(粗利益、経費等)等に一定の掛け目をかけてオペレーショナル・リスク量を算出する場合についても、使用する指標の種類や掛け目の水準を合理的に設定し、また、オペレーショナル・リスクの総合的な管理水準の向上、内外環境の変化、影響の大きい内部損失の発生等に応じて、指標や掛け目を適切に見直すことは必要になります。

 

粗利益分配法

金融庁告示第19号

第305条(粗利益配分手法)

第306条(粗利益配分手法の承認)

第307条(承認申請書の提出)

第308条(承認の基準)

第309条(変更に係る届出)

第310条(承認の取り消し)

第305条(粗利益配分手法)

  1. 粗利益配分手法を用いて算出するオペレーショナル・リスク相当額は、1年間の粗利益を業務区分(別表第一の中欄に掲げるものをいう。以下同じ。)に配分した上で、当該業務区分に応じ、同表の上欄に掲げる掛け目を乗じて得た額(以下この条及び第319条において「業務区分配分値」という。)をすべての業務区分について合計したもの及び同表の注4に規定するある業務の粗利益を特定の業務区分に配分することができない場合における当該粗利益に18パーセントの掛け目を乗じて得た額(次頁において「配分不能値」という。)を合算したもの(以下この条及び第319条において「年間合計値」という。)の直近3年間の平均値とする。
    ただし、年間合計値が負の値である場合には、零として平均値を計算するものとする。
  2. 前頁において、一の業務区分に係る業務区分配分値又は配分不能値が負の値である場合には、当該業務区分配分値又は配分不能値を他の業務区分に係る業務区分配分値又は配分不能値のうち正の値であるものと相殺することができる。
  3. 前頁2項の規定は、第1項に規定する粗利益について準用する。

【金融庁告示第19号 (別表第一)】

掛け目 業務区分 備考
12% リテール・バンキング リテール(中小企業等及び個人)向け預貸関連業務等
15% コマーシャル・バンキング リテール向け以外の預貸関連業務等
18% 決済業務 決済に係る業務
12% リテール・ブローカレッジ 主として小口の顧客を対象とする証券関連業務
18% トレーディング及びセールス 特定取引に係る業務及び主として大口の顧客を対象とする証券、為替、金利関連業務等
18% コーポレート・ファイナンス 企業の合併・買収の仲介、有価証券の引受・売出・募集の取扱等、その他顧客の資金調達関連業務等(リテール・バンキング及びコマーシャル・バンキングに該当するものを除く。)
15% 代理業務 顧客の代理として行う業務
12% 資産運用 顧客のために資産の運用を行う業務

 

別表第一注書き
(注)粗利益配分手法においては、以下の要領に従うものとする。

  1. 銀行のすべての業務から発生する粗利益のすべてが、相互に重複することなくこの表に掲げる業務区分に配分されなければならない(4.に規定する場合を除く。)。
  2. この表に掲げる業務区分を適用する場合において、信用リスク・アセットの額及びマーケット・リスク相当額を算出する際に用いる基準に類似の区分があるときは、原則として、両者の区分は整合的でなくてはならない。この原則に従わない場合には、文書により明確な理由が示されていなければならない。
  3. この表に掲げる業務区分に含まれている業務に付随する業務(以下「付随業務」という。)の粗利益については、当該業務区分に配分されなければならない。付随業務が複数の業務区分に含まれる業務に付随している場合は、銀行が自ら定める客観的な基準を用いて粗利益が配分されなければならない。
  4. ある業務の粗利益を特定の業務区分に配分することができない場合には、十八パーセントの掛目を乗じるものとする。
  5. 複数の業務区分に粗利益を配分するに当たって、銀行は財務会計又は管理会計に基づく適切な基準を用いなければならない。
    ただし、配分した粗利益の額の合計が、基礎的手法を使用する場合に用いられる粗利益の額と等しくなければならない。
  6. 粗利益の配分の手順は、取締役会等の承認に基づき執行役員が責任を持つものでなければならない。
  7. 粗利益の配分の手順は、内部監査を行う部門による検証を受けなければならない。

金融庁の「バーゼルⅡに関するQ&A」によれば、粗利益配分手法において、ある業務区分に対して配分された業務粗利益がマイナスの場合には、そのままマイナスの数値に掛け目を掛けて算出するものとされています。
粗利益配分手法を用いるためには、金融庁長官の承認を得る必要があります。(金融庁告示306条1項)

承認申請書において、「オペレーショナル・リスク管理指針」(オペレーショナル・リスクの評価及び管理に関する方針ならびに手続について記載した書類:307条2項3号)、「粗利益を業務区分に配分する基準及び手順について明確かつ詳細に記載した書類」(同4号)が求められていることに留意しなければなりません。

業務粗利益を8つのビジネスラインにどのように配分するか、明確な基準を定めておくことがポイントになります。

第308条(承認の基準)

金融庁長官は、粗利益配分手法の使用について、第306条第1項の承認をしようするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

  1. オペレーショナル・リスクを管理するための体制(以下この章において「管理体制」という。)の整備について、取締役会及び執行役員(オペレーショナル・リスクの管理について業務執行権限を授権されたものをいう。以下この条及び別表第一の注において同じ。)の責任が明確にされていること。
  2. 営業部門から独立したオペレーショナル・リスクの管理を行う部門(以下この条において「管理部門」という。)を設置していること。
  3. 管理部門、各業務部門及び内部監査を行う部門において、オペレーショナル・リスクの管理のために十分な人材が確保されていること。
  4. 管理部門により、オペレーショナル・リスクを特定し、評価し、把握し、管理し、かつ、削減するための方策が策定されていること。
  5. オペレーショナル・リスクを評価するための体制が、管理体制と密接に関連していること。
  6. オペレーショナル・リスク損失(別表第二に定めるオペレーショナル・リスクの損失事象の結果として生じる損失をいう。以下同じ。)のうち重大なものを含むオペレーショナル・リスクの情報について、管理部門から各業務部門の責任者、取締役会等及び執行役員に定期的に報告が行われ、当該報告に基づき適切な措置をとるための体制が整備されていること。
  7. 内部監査を行う部門により、管理部門及び各業務部門における活動状況を含めた管理体制に対して定期的な監査が行われていること。

308条に掲げられた承認基準では、定性的なオペレーショナル・リスク計測態勢が整備されているかどうかが問われます。

 

先進的計測手法

金融庁告示第19号

第311条(先進的計測手法)

第312条(先進的計測手法の承認)

第313条(承認申請書の提出)

第314条(予備計算)

第315条(承認の基準)

第316条(変更に係る届出)

第317条(承認の取り消し)

第318条(先進的計測手法の適用範囲の原則)

第319条(部分適用の特例)

第320条(リスク削減)

 

金融庁告示第19号

第311条(先進的計測手法)

先進的計測手法を用いて算出するオペレーショナル・リスク相当額は、銀行の内部管理において用いられるオペレーショナル・リスクの計測手法に基づき、片側99.9パーセントの信頼区間で、期間を1年間として予想される最大のオペレーショナル・リスク損失の額に相当する額とする。
ただし、当該期間におけるオペレーショナル・リスク損失の額の期待値が適切に把握され、当該期待値に相当する額の引当が行われている場合には、当該最大のオペレーショナル・リスク損失の額から当該期待値を除いた額をオペレーショナル・リスク相当額とすることができる。

先進的計測手法では、オペレーショナル・リスク相当額として、片側99.9%の信頼区間、保有期間1年で計測する最大の損失額を算出するものとされています。どのような計量モデルを用いるかは、金融機関の裁量によるものとされています。

先進的計測手法を用いるためには、金融庁長官の承認を得る必要がります。(金融庁告示312条1項)。
承認申請書には、「オペレーショナル・リスク管理指針」(313条2項3号)、「先進的計測手法実施計画」(同4号)を添付する必要があります。
「オペレーショナル・リスク管理指針」は、オペレーショナル・リスク相当額の算出方法を含むオペレーショナル・リスクの計測及び管理に関する方針並びに手続について記載したものです。
「先進的計測手法実施計画」には、

  1. 先進的計測手法を用いる範囲および使用を開始する日
  2. 先進的計測手法を用いない業務区分または法人単位を記載して、先進的計測手法による計測の対象範囲を明確にします(金融庁告示313条3項)。

第315条(承認の基準)

  1. 金融庁長官は、第312条第1項の承認をしようとするときは、定性的基準及び定量的基準(第3項第10号を除く。)に適合し、かつ、第3項第10号及び第5項に掲げる内容に適合する見込みがあるかどうかを審査しなければならない。

先進的計測手法の承認基準として、次頁以下に規定される「定性的基準」および「定量的基準」を充足しなければなりません。

2 前項の「定性的基準」とは、次に掲げるものをいう。

  1. 第308条各号に規程する基準(この場合において、同条第2号中「営業部門」とあるのは、「他の部門」と、同条第4号中「評価し」とあるのは、「計測し」と、同条第5号中「評価する」とあるのは「計測する」とする。)
  2. 各業務部門におけるオペレーショナル・リスクの管理の向上のために、オペレーショナル・リスク損失の額、オペレーショナル・リスク相当額その他のオペレーショナル・リスクに関する情報を適切に活用していること。
  3. オペレーショナル・リスクの計測手法におけるオペレーショナル・リスクに関する情報の取扱い方法が明確化されており、金融庁長官が必要に応じて検証することができるように整備されていること。
  4. 先進的計測手法実施計画が合理的なものであること。

金融庁告示315条2項では、先進的計測方法の定性的基準が示されています。
2項1号では、粗利益配分手法における基準を準用しつつ、読み替えを行っていてオペレーショナル・リスク計測を実施する管理部門の独立性の要件をより厳格にしています。

金融庁告示315条3項は、先進的計測方法の定量的基準が1号から10号まで示されています。

3 第1項の「定量的基準」とは、次に掲げるものをいう。

  1. オペレーショナル・リスクの計測手法において、オペレーショナル・リスクの損失事象が適切に把握されていること。
  2. リスクの特性、損失事象の種類(別表第二の上欄に掲げるものをいう。以下同じ。)、業務区分その他の区分に応じてオペレーショナル・リスク相当額を算出する場合は、当該区分に応じて算出されたオペレーショナル・リスク相当額の間の相関関係が適切に把握されているときは、当該相関関係に基づいてオペレーショナル・リスク相当額の調整を行うことができる。

3号2項では、別表第二の損失事象の種類、業務区分その他の区分に応じてオペレーショナル・リスク相当額を算出する場合について、規定しています。
別表第二は、以下のものです。

(別表第二)

損失事象の種類 オペレーショナル・リスク損失
内部の不正 詐欺もしくは、財産の横領又は規制、法令もしくは内規の回避を意図したような行為による損失であって、銀行又はその子会社等の役職員が最低一人は関与するもの(差別行為を除く)
外部からの不正 第三者による、詐欺財産の横領又は脱法を意図したような行為による損失
労務慣行及び職場の安全 雇用、健康もしくは、安全に関する法令もしくは協定に違反した行為、個人傷害に対する支払、労働災害又は差別行為による損失
顧客、商品及び取引慣行 特定の顧客に対する過失による職務上の義務違反(受託者責任、適合性等)又は商品の性質もしくは、設計から生じる損失
事業活動の中断及びシステム障害 事業活動の中断又はシステム障害による損失
事業活動の中断及びシステム障害 事業活動の中断又はシステム障害による損失
注文等の執行、送達及びプロセスの管理 取引相手や仕入先との関係から生じる損失又は取引処理もしくは、プロセス管理の失敗による損失

 

  1. オペレーショナル・リスク相当額の算出において、内部損失データ(銀行の内部で生じたオペレーショナル・リスク損失に関する情報をいう。以下同じ。)、外部損失データ(銀行の外部から収集したオペレーショナル・リスク損失に関する情報であって、銀行におけるオペレーショナル・リスク管理に資するものをいう。以下同じ。)及びシナリオ分析(重大なオペレーショナル・リスク損失の額及び発生頻度について、専門的な知識及び経験並びにオペレーショナル・リスクに関する情報に基づいて推計する手法をいう。以下同じ。)が適切に用いられていること。
    また、業務環境及び内部統制要因(オペレーショナル・リスクに影響を与える要因であって、銀行の業務の環境及び内部統制の状況に関するものをいう。以下同じ。)が適切に反映されていること。

金融庁告示315条3項3号において、内部損失データ、外部損失データ、シナリオ分析を適切に用いて算出を行うことを求められています。

内部損失データ 銀行の内部で生じたオペレーショナル・リスク損失に関する情報
外部損失データ 銀行の外部から収集したオペレーショナル・リスク損失に関する情報であって、銀行におけるオペレーショナル・リスクの管理に資するもの
シナリオ分析 重大なオペレーショナル・リスク損失の額及び発生頻度について、専門的な知識及び経験並びにオペレーショナル・リスクに関する情報に基づいて推計する手法

 

  1. オペレーショナル・リスク相当額の算出において、3年以上の期間にわたり銀行が収集した内部損失データが用いられていること。
  2. 内部損失データの収集について、次に掲げる基準が満たされていること。
    1. 内部で定める客観的な基準を用いて過去の内部損失データに含まれるオペレーショナル・リスク損失の額及び回収額を業務区分ごとに、損失事象の種類に応じて配分した結果について、金融庁長官の求めに応じて提出できるよう整備していること。
    2. 内部損失データには、銀行のすべての業務における一定の閾値以上のオペレーショナル・リスク損失のデータがすべて含まれていること。
    3. 2.に定める閾値は、100万円以下で銀行が定めた値とすること。
    4. 内部損失データは、各損失事象が発生した日付(発生した日付が不明な場合は発覚した日付とすることができる。)、当該損失事象についてのオペレーショナル・リスク損失の額、回収額及び発生要因に関する情報を含むこと。
      損失事象の発生要因に関する情報は、オペレーショナル・リスク損失の額の大きさに応じて詳細なものとすること。
    5. 情報システム部門その他の複数の業務区分に関係する特定の業務を集中的に行う部門におけるオペレーショナル・リスク損失のデータを業務区分に分類する基準並びに異なる時点に発生した相互に関連する複数の損失事象から発生したオペレーショナル・リスク損失のデータを損失事象の種類に応じて分類する際の基準を作成していること。
    6. 信用リスクに該当するとともにオペレーショナル・リスクにも該当する損失は、信用リスク・アセットの額の算出において反映されていること。
      また、当該損失のうち重要なものは、オペレーショナル・リスク・データベース(オペレーショナル・リスク損失に関する情報の集合物であって、特定のオペレーショナル・リスク損失に関する情報を検索できるように体系的に構成したものをいう。)においてすべて特定されていること。
  3. 外部損失データには、オペレーショナル・リスク損失の額、損失事象が発生した業務の規模に関する情報、発生の要員及び状況に関する情報並びに当該損失データを参照することの妥当性を判断するために必要なその他の情報が含まれていること。
    また、外部損失データをオペレーショナル・リスク相当額の算出のために使用する条件及び方法並びにそれらを決定するための手続が体系的に規程されており、かつ、当該規定が定期的に検証されていること。
  4. シナリオ分析においては、損失額が大きい損失事象の発生が合理的に想定されていること。
    また、その結果については、実際のオペレーショナル・リスク損失との比較による検証が適切に行われていること。

3項4号、5号内部データに関する要件です。金融機関は、3年間以上のデータを収取しておかなければなりません。
5号6.、7.では、信用リスクあるいは、市場リスクとオペレーショナル・リスクの双方の損失に該当する損失データの帰属について、規定されています。

3項6号、7号は、外部データ及びシナリオ分析の留意点が示されています。

  1. オペレーショナル。リスクの計測手法に、業務環境及び内部統制要員を反映するに当たって、以下の基準が満たされていること。
    1. 各要因のオペレーショナル・リスク相当額への影響が可能な限り定量化されていること。
    2. 各要因のオペレーショナル・リスク相当額への定量化する際には、各要因の変化に対するリスク感応度及び要因ごとの重要性が合理的に考慮されていること。
      また、業務活動の複雑化及び業務量の増加による潜在的なリスク増大の可能性が適切に勘案されていること。
  2. 内部損失データ及び外部損失データの使用方法並びに業務環境及び内部統制要因の反映方法の適切性が検証されていること。
  3. 第2条及び第14条の算式により得られる比率が8パーセント以上であること。

 

  1. 先進的計測手法採用行は、先進的計測手法の使用を開始する日から1年を経過した日以後の1年間は、4年以上にわたり、先進的手法の使用を開始する日から2年を経過した日以後は、5年以上の期間にわたり、銀行が収集した内部損失データに基づいてオペレーショナル・リスク相当額を算出しなければならない。
  2. 先進的計測手法採用行は、金融庁長官が別に定める事項を開示しなければならない。

4項、5項では、内部損失データを蓄積すること、および開示義務について規定されています。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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