経営陣とコンプライアンス

取締役及び取締役会等の役割と責任

有効なコンプライアンス態勢を確立するためには、経営陣がコンプライアンス態勢づくりに主体的にコミットすることが必要不可欠です。
そのため、取締役など経営陣には、コンプライアンスの推進に関する自覚と責任を持つこと、社員の先頭に立って会社全体にコンプライアンス重視の風土を醸成することが求められます。

取締役の意識・取組み姿勢を表すものとして、次のように主体的、能動的に施策や活動を勧めていくことが求められます。

  • 代表取締役をはじめとする取締役があらゆる機会を捉えてコンプライアンスの取組み姿勢を示すこと
  • コンプライアンス統括部門に必要な経営資源を配分し、コンプライアンス統括部門をサポートすること
  • コンプライアンス態勢について、定期的に評価を行い必要な改善を行うこと

 

【コンプライアンス態勢の確立と経営陣の役割】

  • 取締役会の本来の機能の発揮
  • 基本方針・遵守基準の策定・承認
  • コンプライアンス態勢の定期的な検証

 

1.取締役会が果たすべき機能の発揮

取締役会は、業務施行の意思決定及び取締役に対する監督機能としての自浄機能が求められています。
形式的にも実質的にもコンプライアンス態勢の整備・確立を図る上で取締役は極めて重要な役割を担っています。

2.基本方針・遵守基準の策定・承認

行動規範、コンプライアンス方針、コンプライアンス・マニュアル等のコンプライアンスに関わる重要な方針と手続は、会社経営における重要事項として取締役会による承認が求められます。

3.コンプライアンス態勢の定期的なチェック

取締役会および取締役は、コンプライアンスを実現させるための具体的な実践計画であるコンブライアンス・プログラムの策定・見直しを承認するとともに、その進捗状況や達成状況を正確に把握・評価しなければなりません。
また、取締役会および取締役は、 単に担当部門からの報告を受けるだけでは足りません。報告を態勢の改善につなげるよう指示、命令などの具体的なアクションを求められています。事後的に対応を説明できるようにするため、取締役会は、議事録などに対応を丁寧に記載させることも重要となります。

 

コンプライアンス委員会等

会社経営の重要事項として、取締役会がコンプライアンスに関わる基本方針や重要事項を決定する必要がありますが、取締役会とは別にコンプライアンス問題の協議・決定に特化した社内委員会を設置している会社も見られます。これは、コンプライアンス委員会(コンプライアンス会議等)と呼ばれています。

コンプライアンス委員会について、経営陣が深くコミットしつつ、コンプライアンス問題の討議・決定を担う社内委員会組織は、コンプライアンス態勢の確立と迅速な意思決定の確保というメリットを持ちます。

コンプライアンスの一般的な役割は、次のとおりです。

  • コンプライアンスに関する報告を受けること
  • 報告内容の検討・評価
  • 関連部署への連絡、部門間の総合調整
  • 問題の是正・改善指示、勧告
  • 必要に応じて取締役会への報告
  • 規程等の改定、施策の意思決定
  • その他取締役会から委譲された権限の行使

コンプライアンス委員会は、代表取締役など最終的な経営責任を負える者が委員長に就任し、コンプライアンス、総務、人事、法務等の担当取締役が委員に加わることが多いようです。
場合によっては、社外の弁護士等の専門家がこれに加わる場合もあります。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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