償却・引当の内容(貸倒引当金以外の引当金)

発生の可能性が高い将来の偶発損失を合理的に見積もり、引当金計上します。

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 償却・引当基準の適切性の検証

    貸倒引当金以外の引当金については、発生の可能性が高い将来の偶発損失等を合理的に見積り計上する。
    なお、以下に掲げる引当金の名称はあくまでも例示であり、これ以外の名称とすることを妨げない。

  • 償却・引当結果の正確性の検証

    貸倒引当金以外の引当金については、発生の可能性が高い将来の偶発損失等について、合理的に見積られた額を引当金として計上しているかを検証する。
    なお、発生の可能性が高い将来の偶発損失等が存在するにもかかわらず、貸倒引当金以外の引当金を計上していない場合には、引当金を計上しないことについての合理的な根拠があるかを検証する

貸倒引当金以外の引当金については、発生の可能性が高い将来の偶発損失等について合理的に見積り計上することとされており、金融検査マニュアルでは、①特定債務者支援引当金、②その他偶発損失引当金を例示しています。

 

特定債務者支援引当金

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 償却・引当基準の適切性の検証

    済的困難に陥った債務者の再建・支援を図るため、債権放棄現金贈与等の方法による支援を行っている場合は、原則として、当該支援に伴い発生が見込まれる損失見込額を算定し、当該損失見込額に相当する額を特定債務者支援引当金として計上する。
    具体的には、被検査金融機関の連結対象子会社(いわゆる関連ノンバンクやグループ内保証会社を含む。)の支援に伴う損失見込額の算定に当たり、当該連結対象子会社の資産査定の結果を踏まえ、当該子会社の分類額から当該子会社からの回収見込額 (資本の部に計上されている額及び経営改善計画期間中のキャッシュ・フローによる回収見込額の合計額)を控除(Ⅳ分類から先に充当する)した後に残存するⅢ及びⅣ分類について、被検査金融機関の償却・引当額の算定と同様の方法又はこれに準じた方法により、当該子会社の所要償却・引当額の算定を行い、当該所要償却・引当額を支援に伴う損失見込額として特定債務者支援引当金に計上する。
    この場合、少なくともⅣ分類とされた部分は全額、Ⅲ分類とされた部分は被検査金融機関の償却・引当基準に基づく破綻懸念先に対する債権と同様の方法により予想損失額の算定を行い、当該予想損失額を損失見込額として特定債務者支援引当金に計上する。
    なお、特定の債務者に対する債権放棄、現金贈与等の方法による支援に伴う損失見込額については、特定債務者支援引当金として計上することが基本であるが、債権放棄の方法により支援を行っている場合において、当該特定の債務者の債務者区分が破綻懸念先で支援に伴う損失見込額が債権の範囲内であり、かつ、当該損失見込額が少額で特定債務者支援引当金を設定する必要性に乏しい場合など合理的な根拠がある場合は、個別貸倒引当金として計上できる。

  • 償却・引当結果の正確性の検証

    債権放棄及び債権放棄以外の現金贈与等の方法により支援を行う予定の債務者が網羅されているか、当該債務者の支援に伴う損失見込額の算定が合理的であるかを検証する。
    なお、債権放棄の方法により支援を行っている場合において、当該支援に伴う損失見込額を個別貸倒引当金として計上している場合は、個別貸倒引当金として計上することに合理的な根拠があるか、当該損失見込額の算定が合理的であるかを検証する。

連結子会社の支援に伴う損失見込額が「特定債務者引当金」勘定に計上されます。
債務者の債権・支援を図るため、貸出金の形態をとることなく、債権放棄、現金贈与等の方法による支援を行っている場合には、当該支援に伴い発生が見込まれる損失見込み額を算定します。経済的な効果の観点からみると、その必要性が理解されるものと思われます。

 

その他の偶発損失引当金

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 償却・引当基準の適切性の検証

    上記1.特定債務者支援引当金以外に発生の可能性が高い将来の偶発損失等を有する場合には、合理的に見積られた将来負担すると見込まれる額を損失見込額としてその他の偶発損失引当金に計上する。
    特に、債権流動化等の方法によりオフバランス化を図っているもののうち、信用リスクが完全に第三者に転嫁されず、信用リスクの全部又は一部を被検査金融機関が抱えている場合で、Ⅲ分類とされた部分のうち予想損失額に相当する額及びⅣ分類とされた部分を損失見込額としてその他の偶発損失引当金に計上する

  • 償却・引当結果の正確性の検証

    来負担する損失見込額を合理的に見積り、その他の偶発損失引当金として計上しているかを検証する。 特に、債権流動化等の方法によりオフバランス化を図っているものについて、上記に掲げるとおり、損失見込額を偶発損失引当金に計上しているかを検証する。

企業再生では、債権流動化の手法が多く用いられていますが、法的関係がクリアされず偶発損失を抱えたままである場合には、留意しなければなりません。

 

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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