自己査定の内容-債権の分類方法(金融機能再生緊急措置法における債権区分との関係)

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証

    金融機能再生緊急措置法施行規則第4条に定める債権区分と本検査マニュアルに定める債務者区分等との対応関係は、次のとおりである。
    なお、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第143 号)第3条第2項第1号の規定により、金融機能再生緊急措置法第6条第2項に規定する基準に従い資産の査定を行う必要のある金融機関は、銀行、信託銀行、長期信用銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫、信金中央金庫、全国信用協同組合連合会、: 労働金庫連合会、農林中央金庫、信用農業協同組合連合会、信用漁業協同組合連合会 及び銀行持株会社等である。

  • 自己査定結果の正確性の検証
    金融機能再生緊急措置法試行規則第4条に定める基準に基づき、債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として債務者区分等に応じて、上記に掲げるとおり区分されているかを検証する。
    また、金融機能再生緊急措置法第6条に基づく資産査定の結果は、内閣総理大臣に報告されるとともに、同法第7条の規定により公表されることとなっている。さらに、同法第78条及び第86条の規定により、内閣総理大臣に対する報告に虚偽の記載があった場合には、罰則が適用されることとされている。

    したがって、同法第6条の規定に基づく資産査定の結果が不正確と認められる場合には、その原因(自己査定基準の適切性に起因するものか、自己査定作業の実施に起因するものか、その他の原因に起因するものかなど)及び被検査金融機関の今後の改善策について、十分な確認を行いその的確な把握に努めるものとする。

資産査定管理態勢の確認検査用チェックリストの「別表における留意事項」では、債権区分について次のように定義しています。

「債権区分」とは、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律 132号。以下「金融機能再生緊急措置法」という。) 6条2項の規定により、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律施行規則」(平成10年総理府65号。以下「金融機能再生緊急措置法施行規則」という。)4条に定める資産の査定の基準に基づき債権を債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として正常債権、要管理債権、危険債権、破産更生債権及びこれらに準ずる債権に区分することをいう。

本チェック項目以下では、この「金融機能再生緊急措置法」における債権区分と自己査定における債務者区分等との対応関係について示されています。
「自己査定結果の正確性の検証」にあるように、金融機関は、「金融機能再生緊急措置法」の規定に従って、資産査定の結果は開示(ディスクロジャー)されることとなり、虚偽記載には罰則もありますので注意が必要です。
また、次の債権区分の中では、要管理債権の扱いがポイントになります。
要件管理債権における貸出条件緩和債権の定義については、各行毎に基準が定められる必要があります。
貸出条件の緩和といっても、金利の減免、金利支払猶予、元金返済猶予、一部債権放棄、一部代物弁済による返済をうけた債権など様々な条件の緩和が考えられるからです。
内部監査担当者として、これらの具体的な基準が明確かつ合理的に定められているか評価する必要があります。

1.正常債権

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証

    正常債権とは、「債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、要管理債権、危険債権、破産更生債権及びこれらに準ずる債権以外のものに区分される債権」であり、国、地方公共団体及び被管理金融機関に対する債権、正常先に対する債権及び要注意先に対する債券のうち要管理債権に該当する債権以外の債権である。

  • 自己査定結果の正確性の検証
    上記に掲げる債権が正常債権とされているかを検証する。

2.要管理債権

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証

    要管理債権とは、要注意先に対する債権のうち「3カ月以上延滞債権(元金又は利息の支払が、約定支払日の翌日を起算日として3カ月以上延滞している貸出債権)及び貸出条件緩和債権(経済的困難に陥った債務者の再建又は支援を図り、当該債権の回収を促進すること等を目的に、債務者に有利な一定の譲歩を与える約定条件の改定等を行った貸出債権)」(金融機能再生緊急措置法施行規則第4条)をいう。
    なお、要注意先に対する債権は、要管理債権とそれ以外の債権に分けて管理するものとする。

  • 自己査定結果の正確性の検証

    上記に掲げる債権が要管理債権とされているかを検証する。その際、銀行法施行規則第19条の2第1項第5号ロ(4)に定めるリスク管理債権に係る貸出条件緩和債権の定義及び当局の監督指針における「リスク管理債権額の開示」項目の貸出条件緩和債権に係る留意事項をも参考として検証する。
    なお、形式上は延滞は発生していないものの、実質的に3カ月以上延滞している債権を要管理債権としているかを検証する。

    (注)実質的な延滞債権となっているかどうかは、返済期日近くに実行された貸出金の資 金使途が元金又は利息の返済原資となっていないかを真議書の確認及び当該貸出金の資金トレースを行うなどの方法により確認する。

    (注)上記の当局の監督指針とは、「主要行等向けの総合的な監督指針」「中小・地域金融 機関向けの総合的な監督指針」のことであり、留意事項には、「貸出条件緩和債権関 係Q&A」を含む。

    (注)なお、上記の適用に当たっては、「金融検査マニュアル別冊[中小企業融資編]」の 事例(18~26)も参照。

要管理債権における貸出条件緩和債権については、各行ごとに基準が定められる必要があります。貸出条件の緩和には、金利の減免、金利支払猶予、元金返済猶予、一部債権放棄、一部代物弁済による返済を受けた債権など様々な様態があり、これらの具体的な基準を明確かつ合理的に判定する必要があります。

本チェック項目に関して、(注)で「貸出条件緩和債権関係Q&A」を参照する旨を追加した理由について、「金融検査マニュアルに関するFAQ」の中で次のように説明されています。

  • 従来より、要管理先債権の検証に当っては、金融検査マニュアルに加え、別途公表されている、「貸出条件緩和債権関係Q&A」を参照していましたが、この点を周知する観点から記載を追加したものです。

3.危険債権

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証

    危険債権とは、「債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権」であり、破綻懸念先に対する債権である。

  • 自己査定結果の正確性の検証
    上記に掲げる債権が危険債権とされているかを検証する。

4.破綻再生債権及びこれらに準ずる債権

【金融検査マニュアルのチェック項目】

  • 自己査定基準の適切性の検証

    破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、「破産、会社更生、再生手続等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権」であり実質破綻先に対する債権及び破綻先に対する債権である。

  • 自己査定結果の正確性の検証

    上記に掲げる債権が破産更生債権及びこれらに準ずる債権とされているかを検証する。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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