リスク管理業務

リスクを管理する業務は、日常業務として、日々の業務の中に組み込まれていなければなりません。
そのためには、リスク管理業務に関する内部規程を明文化することも重要です。
それによって、有効な内部管理態勢の構築につながります。

内部監査部門は、リスク管理業務が適切かつ有効に機能しているかどうかを第三者の眼で確認します。なお、リスクを継続的に評価し、組織が外部環境の変化に対応したリスク管理が実践されているかどうかをチェックしなければなりません。

リスク管理業務は日々の業務

リスク管理の組織が整えば、リスク管理の事務手続を取り決めて行かなければなりません。
リスク管理は、机上のコンセプトではなく、日々の業務として組織に定着させなければならないものだからです。リスク管理業務は、認識したリスクに対応して実行されます。
リスク管理業務には、次の3つの段階があることに留意すべきです。

  1. 方針の確立
  2. 方針に従った手続の実行
  3. 方針が遵守されていることの検証

重要なことは、リスク管理業務は、日常業務の中で必要不可欠な部分となっていなければならないということです。
管理者は、各業務段階におけるリスク管理業務を明確に示しつつ、有効な内部管理を確保するために適切なリスク管理態勢築かなければなりません。
なお、これらのリスク管理業務には、次のものが含まれなければなりません。

  • 経営陣におけるレビュー
  • 部、課ごとの適切な業務管理
  • 実物管理
  • エクスポージャー・リミットの遵守状況の定期チェック
  • 許可・了承の体制
  • 検証・突合の体制

管理者は、組織の全ての活動が確立された方針及び手続を遵守していることを定期的に確認しなければなりません。
詳細な内容は、次のとおりです。

1.経営陣におけるレビュー

取締役会及び管理者は、業務の達成度合いに関する説明を職員に求める必要があります。
また、実績に関する報告を継続的に職員に求めて、その内容に関して問いただすことが重要となります。
質問を積み重ねて、それに対する職員の返答を分析することが、管理上の弱点、財務報告におけるミス、不正行為といった問題を見抜くきっかけになります。

2.業務管理

部又は課レベルの責任者は、日時、週次もしくは、月次等で標準的な実績や異例取引の報告を受取、リスク管理態勢の見直しを行わなければなりません。
そうした実務的な見直しは、経営陣における見直しよりも頻繁に行われますし、通常、より詳細なものになります。
例えば、貸付の責任者は、滞納、支払受領、収益状況についての報告を週次で見直すこともありえます。その一方、上級の管理者は、同様の報告を築地で、かつ全ての貸付分野を含むより要約された形で見直すかもしれません。経営陣におけるレビューと同様、報告書をレビューして質問を積み重ね、その質問に対する返答を分析することが、管理上の弱点、財務報告におけるミス、不正行為といった問題を見抜くきっかけになります。

3.実物管理

実物管理においては、一般的に物的資産へのアクセスの制限に焦点を当てます。
一般的なリスク管理業務には、金庫に収納するなどの物理的制限、帳簿との照合などによる資産の二重管理、定期的な在庫品検査などが含まれます。

4.エクスポージャー・リミットの遵守状況

慎重なリスク・エクスポージャー・リミット(どの程度のリスクまで許容するかという限度のこと)を設定することは、リスク管理において非常に重要です。
例えば、債務者及びその他の取引相手に対するリミットを遵守させることは、信用リスクの集中を減少させ、そのリスクを分散させるのに役立ちます。リミットの遵守状況を定期的にレビューすることが重要になります。

5.許可と了承

一定のリミットを超える取引については、経営陣や管理者による許可や了承を義務付けることが求められます。こうした手続により、経営陣による取引又は状況の把握が容易になり、責任体制を確立することがより確実になります。

6.検証と突合

業務内容や取引の詳細については、常に検証されなければなりません。
また、リスク管理モデルの出力結果も検証される必要があります。
キャッシュフローと会計記録・文書との比較といった定期的な突合などにより、修正が必要な業務や記録を識別するという作業は、非常に重要です。
これらの検証の結果は、定期的に経営陣に報告されなければなりません。

 

リスク管理業務と内部規程

リスク管理プロセスにおけるリスク管理業務のポイントは、いかにチェック体制を確立するかということにつきます。
それぞれの業務に関しては、内部規程を整備して明文化しておかなければなりません。そして、定めた内部規程に関しては、その時点において、適正な内容になっているかという点をチェックし、必要であれば見直さなければなりません。

1.リスク管理手法及び規程の適切性

リスク管理手法や規程の内容は、各部門の戦略目標、あるいは、取り扱っている業務や金融商品の内容から見て適切なものとなっているか、常にチェックしなければなりません。
そして、リスク管理業務そのものが、日常の業務として全ての役職員一人ひとりによって実践されるような体制を確立する必要があります。
リスク管理は、理論ではなく実践なのです。

2.各業務部門における規程の整備及び見直し

リスク管理規程には、各業務部門毎に、手続、権限、必要書類、緊急時の対応策など、業務の遂行方法が定められなければなりません。
そして、管理者は、職員が規程に従って手続・業務を行っているかどうかを常に検証していかなければならないのです。さらに、管理者は、リスク管理業務向上の観点から、運用されている規程について定期的に見直しを行う必要があります。

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

コンサルティングのご依頼などサービスの詳細は、次のバナーをクリックしてください。  

コメントを残す