知的財産権を守るために不正競争行為を防止する

特許をはじめとする知的財産権は、対象となるものを利用できる権利を与えることで知的財産を保護する役割がありました。
しかし、権利がなく不正に使用しようとするものから知的財産を守ることを目的としていないことから、万が一不正競争が行われた場合には、当該行為を規制することが必要となってきます。

規制する手段として、「不正競争防止法」があります。

不正競争防止法によって、事業者間の公正な競争を確保し、不正競争の防止及び不正競争に関わる損害賠償に関する措置を講じることで、国民経済の健全な発展に寄与します。

差止請求権

不正競争によって、営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます。(不正競争防止法第3条)

 

損害賠償請求

故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者に対して損害賠償請求を行うことができます。

 

不正競争となる行為

  1. 周知な商品等表示の混同惹起

    他人の商品等の表示について、次の行為によって、他人の商品、営業と混同を生じさせる行為
    ・需要者の間に広く認識されているものと同一もしくは、類似の商品等表示を使用する
    ・商品等表示をした商品を譲渡、引き渡し、譲渡もしくは引き渡しのための展示、輸出、輸入
    ・電気回路を通じた提供
    商品等の表示とは、人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器もしくは、包装その他の商品、営業を表示するものです。

  2. 著名な商品等表示の冒用

    自己の商品等の表示について、他人の著名な商品等の表示と同一もしくは類似のものを使用又はその商品等表示を使用した商品を譲渡、引き渡し、譲渡もしくは引き渡しのための展示、輸出、輸入、電気通信回線を通じて提供する行為

  3. 商品形態を模倣した商品の提供

    他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除きます。)を模倣した商品を譲渡、貸し渡し、譲渡もしくは貸渡しのために展示、輸出、輸入する行為

  4. 営業秘密の侵害

    窃盗、詐欺、脅迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為又は不正取得行為により取得した営業秘密を使用もしくは開示する行為秘密を保持しつつ特定の者に示すことを含みます
    営業秘密として認められるためには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。
    ・秘密管理性:秘密として管理されていること
    アクセスした者がその情報を「秘密であること」を認識できること(秘密管理性)
    対象となる情報にアクセスできる者を制限(特定)していること(アクセス制限の存在)
    ・有用性:事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること
    ・非公知性:公然と知られていないこと

  5. その営業秘密について、不正取得行為が介在したことを知って、もしくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、
    又はその取得した営業秘密を使用しもしくは開示する行為
  6. その取得した後にその営業秘密について不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないで
    その取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
  7. 営業秘密を保有する事業者から、その営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的又はその事業者に損害を加える目的で
    その営業秘密を使用又は開示する行為
  8. その営業秘密について不正開示行為であることもしくは、その営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、
    もしくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得又はその取得した営業秘密を使用し、もしくは開示する行為
  9. その取得した後にその営業秘密について不正開示行為があったこともしくはその営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、
    又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
  10. 第四号から前号までに掲げる行為により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡もしくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
  11. 技術的制限手段無効化装置提供

    営業上用いられている技術的制限手段により制限されている影像もしくは音の視聴もしくはプログラムの実行又は影像、音もしくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置を記録した記録媒体もしくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡もしくは引渡しのために展示し、輸出し、もしくは輸入し、又は当該機能を有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為

  12. 他人が特定の者以外の者に影像もしくは音の視聴もしくはプログラムの実行又は影像、音もしくはプログラムの記録をさせないために営業上用いている技術的制限手段により制限されている影像もしくは音の視聴もしくはプログラムの実行又は影像、音もしくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置もしくは当該機能を有するプログラムを記録した記録媒体もしくは記憶した機器を当該特定の者以外の者に譲渡し、引き渡し、譲渡もしくは引渡しのために展示し、輸出し、もしくは輸入し、又は当該機能を有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為
  13. ドメイン名の不正取得等

    不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示と同一もしくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、もしくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為

  14. 商品・サービスの原産地・品質等の誤認惹起表示

    商品もしくは役務もしくはその広告もしくは取引に用いる書類もしくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途もしくは数量もしくはその役務の質、内容、用途もしくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡もしくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、もしくはその表示をして役務を提供する行為

  15. 信用毀損行為

    競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為

  16. 代理人等の商標冒用

    パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国において商標に関する権利を有する者の代理人もしくは代表者又はその行為の日前一年以内に代理人もしくは代表者であった者が、正当な理由がないのに、その権利を有する者の承諾を得ないでその権利に係る商標と同一もしくは類似の商標をその権利に係る商品もしくは役務と同一もしくは類似の商品もしくは役務に使用し、又は当該商標を使用したその権利に係る商品と同一もしくは類似の商品を譲渡し、引き渡し、譲渡もしくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、もしくは電気通信回線を通じて提供し、もしくは当該商標を使用してその権利に係る役務と同一もしくは類似の役務を提供する行為

記事製作者

中小企業診断士 湯谷 一夫

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